中指斬残、捌断ち儀



(二)


目を覚ました僕に待っていたのは、両親の泣き顔だった。


僕と目が合うなりに抱きしめ、「良かった、良かった」と悪い夢から覚めたかのように両親は泣きじゃくっていた。


実際、悪い夢を見たのは僕なんだろうが、体の虚脱感がひどく、唇を動かすのも億劫で、感情さえも凍結していた。


目だけを動かせば、知らない白い部屋。すぐに病院だと気づき、目を覚ました僕にお医者さんが意識確認のため、簡素な検査をしてきた。


ライトを目に当てられたり、声をかけられたりと、「まだ目が覚めたばかりですから反応は鈍いですが、もう大丈夫でしょう」と締めにお医者さんが言ったことに両親は深く頭を下げていた。