「出てけっ、消えろっ。頭冠様のお達しだぞ!不浄なものは消え去れ!でなければ、貴様が嫌がる水をかけてしまうぞ!」
僕を掴んだまま水をかけるものだから、伯母さんの服とて濡れた。
この臭みが分からないはずないのに、伯母さんはそれすらも“有り難いもの”と認識しているらしく、平然と続けた。
有り難いものだなんて思えない僕はひたすらに、伯母さんから逃げようとするが――引くだけではダメだとやっと気づき、機転をきかせて、あえて伯母さんに体当たりをしてみた。
小さくとも突飛である行為に伯母さんがバランスを崩し、転ばないようにたたらを踏む。
その折りに、かかとがバケツに当たったらしく、中の水が玄関にぶちまけられた。


