その見立てが当たりかどうかなど、本人に聞くまでもなく、当たり前な事実だった。
勤続五十年のサラリーマンならば、給料明細からきっちり厚生年金分が差し引かれているはずで、毎月欠かさず払っていたところだろう。
収入によりけりだが、自営業で加入する国民年金より厚生年金は払う額が多い分、戻る額とて差は三倍ほどあるらしい。
七万円全額、義父の年金となればやはり苦しいだろうが、義母も貰っているし、明子に関してはまだ若くいくらでも働き口はあるはずだ。
「無理な話のはずないですよねぇ。別れた夫――追い出した婿養子一人に八万も払わせて、自分たちは一銭も出さないだなんて、情けないですねぇ。守銭奴はどちらでしょうか？例え、あたしが守銭奴であっても、責任を果たせないお父さんたちと比べたら、まだ堂々としていられますね」
