反則の代表格が言うところの太ももの傷。僕があくまでも『残っていない』と言ったのは見えている部分だけで、足に関しては黒いパレオで隠されその下がどうなっているかなど分からないけど。
ぺらっと、黒布が捲られた。
「やっぱ綺麗に――べふっ」
捲った男に制裁が――無作法な真似をした藤馬さんに五十鈴さんの拳が入った。
「お、おまえはっ、何を!」
顔面に入れたあたり、かなりの怒りと恥ずかしさがあったらしい。今にも炸裂しそうな第二撃に藤馬さんは手を待ったの状態にしている。
「はあ?別にぺらぺらの布捲っただけじゃねえかっ。下にミニスカなんなり履いてんだろ、何を恥ずかしがるんだよっ。それとも何か?てめえはその下に何も履かない痴、じょっ」
喋り途中で拳が入ったから舌を噛んだみたいだ。痛そう。


