中指斬残、捌断ち儀



「んー?」


金銀財宝なんてお宝を期待していた僕を裏切る中身。


中に入っていたのは――“何か”だった。


なんと表現していいものか、今ならば僕は“何か”の正体を知っていたが、当時の僕はそれが何であるのか理解できていない。


最初、へその緒だと思った。


母親が「あなたがお腹にいたときはね」と、へその緒を見せてくれたことがあった。


茶色でしわくちゃ。干からびたミミズみたいなへその緒。


この木箱の中身も、印象だけで言えば、それと同じだった。


しかしながら、大きさがまったく違う。


干からびたミミズよりは、干からびた芋虫のような。太さも長さも段違いで、“二本”あった。