泣きそうになればまたさざめきさんに気を使わせるし、引きずってばかりでは藤馬さんに笑われるし、未だに両親の影で苦しんでいるのでは五十鈴さんに心配かける。


何よりも、僕だってもう“要らない”と思った。


あっちがそう言ったからこっちもだなんて、子供の考えでしかないけど――こうでも思わなきゃ、僕はずっと泣き続けてしまう。


笑いたいんだ、僕は。今の家族の中で――大切な人に囲まれた輪の中で幸せを実感していきたい。


だから、吹っ切れよう。


今だけいっぱい泣いて、また明日から元気に行こう。


それが出来るようになったのが、今の僕だから――