結局、“要らない子”なんだ。


終わったことにしたい、汚点ともなろう過去の一つ。“できることなら思い出したくないし、関わりたくもないに違いない”。僕は明らかに、今のあの人たちの家庭を壊す脅威でしかないから。


“捨てて正解だったんだ”。そんな結果があることが、どうしようもなく悔しくて。


「っ、いす、ず、さ……!」


だから、僕も、今の家族を思い出す。


「さざめ……っ、うぅ」


そうだ、僕にはもう大切な家族がいて、あの人たちには負けないぐらい幸せなんだ。


「とう、ま、さ……っ」


悔しいけど、憎いとは思わない。


いっぱい泣くけど、いっぱい笑う。


自棄にも近い割り切りは、もはや吹っ切れたに近いだろう。


けれども涙を溢すなり、両親の影もなくなっていくような。