「ぅ、ああぁっ!」


だらしなくても、みっともなくてもいい。今ここには、僕一人だけだから。


「なん、でっ、う、っ、なんでぇ……っ」


あの人が僕を捨てたことに何とも思ってないのが悔しかった。


迎えに来てくれると信じて裏切られ、更には肝心な呪いを『どうでもいい』と何ら関心も持たずに、僕の前で今は如何に幸せかを語ってみせた。


「づ、げほっ、うぅ……!」


僕を捨てたことで得(幸せ)になっている事実なんか聞かない方が良かった。だから、会わない方が良かったと思ってしまう。


母親のように電話口で邪険に疎まれた方がまだ傷は――浅くなどないか。


「ぼく、はっ……、うぅっ」