中指斬残、捌断ち儀



「手伝いなんか、僕に医療知識はありませんよ」


「サポート役だよ。あれ持ってきて、これ持ってきて程度の。後は、各地にある僕の住処の掃除あたりか――ああ、これが本命だな」


「住処って、診療所ですか」


「君が前までいた診療所のようなところもあれば、使われていないアパートの一室だの、廃病院だのと、ピンきりだ。清潔にはしているつもりだが、棚上の埃までは気にしていない。カルテの整理なりもしてもらえれば、より助かるな」


「そんな、別にそれは学費払ってもらわなくても、日頃からさざめきさんにはお世話になっていますし」


それこそ無償で手伝いたいことだが、さざめきさんはダメダメと手を振った。……無表情アクションだ。