中指斬残、捌断ち儀



「あ、でも、学費……」


いくら倹約家な僕でも、大学の学費を払い続けるのは難しい。養育費の援助もなければ、なおのこと。


「そこは、まあ、“ああまで言えば大丈夫”だとは思うが……」


ぼやくようなさざめきさんの言葉を聞き取れずに、聞き返せば、彼は首を振ったあとにこちらを向いた。


「ともかくも、今は奨学金制度もあるし、仮に外れたとしても――僕が援助しよう」


「え、援助って、そんな……!」


「か、勘違いしないでよねっ100%。――内訳、ツン70%。デレ30%」


「……」


なんでさざめきさんは時折、迫真な演技をするんだろうか……


さておき、さすがに援助はと戸惑う。