中指斬残、捌断ち儀



「あの人がああなら、母親側もそうなんでしょうね、きっと」


持田さん経由で連絡は取ったが、もう二度とかけてこないでと一方的に切られる始末。もうここからして、この顛末を予想すれば良かったのに――いや、予想できたのに。


「何を期待していたんでしょうね、僕は。今更、あの人たちの家族に戻りたいわけでもないのに、いったいどんな言葉を聞けば満足だったんだか」


おめでとう?良かったな?あるい、すまなかったとでも謝罪されたいのか。


ただでも。


「悔しいなぁ、なんか」


そんな気持ちになってしまう。


事が思うように運ぶだなんて夢見るわけじゃないけど、せめて両親の存在からけじめでもつけられたら万々歳だったのに。