中指斬残、捌断ち儀



子供のままたる、女の中の女。だと、喜美子は微笑と共に提言していた。


その観察眼がまるっきり当てはまらないわけでもない、特に最近の明子は以前にもまして、退化でもしてしまったかのように、我を突き通すようになった。


今の言葉を聞けば、明子は極端に、馬鹿の一つ覚えらしくまた喜美子に飛びかかるだろう。


ムカつくからと――つまりは、『否定の言葉が出ないから手を出す』わけであって、喜美子は人の図星をつくのが上手いとも思った。


「あたしはね、貞夫さん。あなたには幸せになってもらいたいとも思っているんですよ」


「え……」


「『体幸会』に入信して確実に幸せになれとは言いませんけど、ほんの些細なものでもあなたにとっては唯一の救いとも私は思うのよねぇ」