中指斬残、捌断ち儀



「……。やっていけますよ。僕にも家族がいますから」


「ああ、ああ。春夏秋冬さんが精神を病んだと聞いた時には心配したが、持田さんによくされているんだな」


「……」


「幸せそうで何よりだよ。はは、僕もそちらに負けないぐらい幸せな家庭を築きたいものだね。――そうだ。娘と妻の写真があるんだが、良ければ見るか?」


幸せ自慢に花を咲かせようとした貞夫が手帳に挟んだ写真を出す前に――ふと、付添人がこちらを指差した。


厳密に言えば、貞夫のアイスコーヒー。グラスの脇に置かれたミルクとガムシロップを付添人は示す。


「……」


「えっと、使いますか……?」


自分に向かっては喋らない付添人にガムシロップとミルクを差し出せば、当たりらしく受け取られた。