「そう、ですね……。まだよくは決めていないんですよ」
何せ、二十歳で死ぬ前提の将来だったから――とまでは、渉の口からは出なかった。
「決めてないか、大学に行くかどうかぐらいは?ほら、高二ならそれぐらいもう決めなきゃ。奨学金貰うにも、今から――」
「……」
言い過ぎたと思った時点で手遅れだった。
不信感を肌から感じた貞夫は、追い詰められた気分になったが――もう、気を使う必要もないかと、ため息を溢す。
「すまないね。渉の大学費用を出してやりたいのは山々なんだが」
『ねえ、あなた。もういいんじゃないの?何も大学まで面倒見なくても。だって今まで馬鹿みたいな額払ってきたんだから』
「僕にも今、家庭があって、妻と娘がいるんだ。とてもじゃないが、その……」


