中指斬残、捌断ち儀



貞夫もブラックのままアイスコーヒーを口に含み、明子めとここにいない母親を恨みがましく思う。


明子については、旅館に嫁いだと共通の友人からさわり程度聞いてはいた。


あの性格じゃ、どうせすぐに離婚するだろうと思ったが、どうやらまだ続いているらしいし、忙しいとはあながち間違いではないのだろう。


次期、女将としてあくせくしているのか。もしくは単に、昔の子に会って嫁いだ先の顔色を悪くさせたくはないか。


明子という女を最悪な女房と見ていた貞夫は、どうせ実子がいることも言わずに生娘装い結婚し、悠々自適に玉の輿生活を送っているのだろうと推察した。


ここで17になる子がいるなどと言えないし、明子にとっても渉は今の生活への脅威か、会えないではなく会いたくないと言っていそうな絵も浮かんできた。