中指斬残、捌断ち儀



ずっとこちらを見ている。色つきの眼鏡のせいで奥にある瞳は覗けないが、まっすぐに貞夫の顔から視線を外さなかった。


射るような視線が居心地悪く、なるべく付添人側を見ないようにした貞夫は必然的に渉に目を置く。


日曜日だというのに学生服で、しかも最近暑くなってきたというのに首もとまでしっかりとボタンを閉めた詰め襟だった。


ブレザーが主流になってきたのに珍しいなと貞夫は詰め襟部分を眺めたが、ふと、襟部分から僅かに白い物がはみ出ているのを確認した。


怪我でもしたのか首に包帯を巻いているらしい。包帯隠しの詰め襟かと思いつつあれば。


「元気ですよ、ここ最近は」


やっと出た答えもこれまた無難だが、どこか意味深なものに聞こえてきた。