「彼は、僕の家族みたいな人です」
座るなりに付添人をそうまとめた渉に、貞夫はそうかと返すしかなかった。
今、渉の保護者となっている持田の親族か何かかと妥当な線を考えた貞夫は、次に何を話すかと考えていれば、店員が注文を取りに来た。
三人ともアイスコーヒーで、注文を受けた店員が下がるなり、沈黙が数秒間訪れた。
どちらとも相手の出方を伺っているよう。腹の探り合いではないかと、子供相手に情けなさを感じた貞夫は無難な話を持ち出した。
「元気に、していたか」
自分が見ていない空白の時はどう過ごしていたと普通に聞いてみせたのだが、渉からの答えは返ってこなかった。
言葉に迷っているのだろうと、貞夫は待つが、付添人の男の視線が気になった。


