中指斬残、捌断ち儀



抱きしめたくなる気持ちも分かり、その気持ちに則ろうとしたが――渉の隣にいる男が気になった。


スーツ姿で高い背丈も相まってか、いかにも仕事できそうな雰囲気を漂わせる。


貞夫よりは年下だと思うが、断定はできない。その男は目元に色つきの分厚い眼鏡をかけていた。


「僕の付添人です。今は彼のお世話になっているんですよ」


貞夫の気がかりを察した渉は隣にいる男を紹介した。


紹介された男は何も言わずに佇むだけ、見た目と違い無作法な奴だと貞夫は内心で思うが。


「世話にって、今は持田さんのところにいるんじゃないのか」


内心を留めたまま、増えた気がかりを口にした。


「ああ、はい。持田さんは色々忙しい方なんで、代わりに彼が付いていてくれて……あ、座ってもいいですか」