中指斬残、捌断ち儀



チェーン店を全国に展開しているような喫茶店は人で溢れても良さそうだが、二時という昼の混雑が過ぎ去った今はまばらにしか人はいない。


入るなりに相手がいないのを確認した貞夫は、後から一人来る旨を店員に伝えて、店奥の席に座る。


本当なら二人用の席でも良かったが、これからする話はあまり人の耳には入れたくはない。


全国チェーンの大きな喫茶店というのは、客回りを重視し売り上げばかりを考えるため、客が長く入り浸るのを阻止する対策に、大概の店にはクラシックだのジャズだのは流れてはいない。人も少ない静かな店内で、何かを話すとなれば周りにだだもれであると懸念して、店奥のソファー席を選んだ。


二人がけソファーの相席。計四人は向き合って談笑できる場であろう席だが、とても笑いあって何かを話す仲ではない。