中指斬残、捌断ち儀



「お、い……!」


「仮にも――」


藤馬が言いたいことを見越したさざめきが、デジカメを用意する。


「渉くんにまた何かあったら、僕は悲しみのどん底に落ちるだろう。そうして、少しでも明るくなるためにこの芸術作品を収めた写真を見ることになるけど――ああ、もしかしたら」


「まっ……」


「僕が見ているとき、隣に五十鈴さんがいるかもしれない。もしくは渉くん。いやいや、お前が言う『どいつもこいつも』のみんなが見る可能性もある」


「だっ……まっ!」


可能性としては100%であるのは確定だ。落書き写真を様々な人に見せられるだなんて、思いようによってはしょぼいと名のつくことだが。


そこは藤馬。自身の恥――無力だの役立たずだのと罵倒を浴びせたさざめきに『してやられた』という証拠を周りに露見してしまうのは避けたい。