「正直、お前なんかそばにいさせたくはないが、な……」
渉くんが家族だと言うからと、小声で呟く。
精神面のケアは専門家に頼むのもそうだが、結局、一番にものを言うのは家族(身近な人)からの優しさだ。
接し方や心遣い。
思いやりこそが一番の特効薬であり、時には近くに大切な人がいるだけでも心に余裕ができるもの。
今の渉に必要な部分はそこであり、求めてもいるだろうから、一家団欒が望ましい。――ただ、やはり。
「あ……?」
さざめきが呟いたことを聞き取れなかった藤馬が、首だけをさざめきに向けようとし――目眩を感じた。
くらぁとぼんやりしてくる意識。ただ肝心な糸は切れないらしく、耳に入る音ははっきりと分かる。


