中指斬残、捌断ち儀



「弱いことは悪いことじゃない。だから、泣く(弱い)ことを周りに見せてもいいんだ。僕は――僕や五十鈴さんはそんなにも薄情ではないのだけどね。

我慢ができる強い子だ、あの子は。先に周りを気遣うあたりは五十鈴さん譲りだとしても、弱いとこを見せたがらない強がりなところは――さて、いったい誰に似たんだか」


「……、知らねえよ」


さざめきに背を向けて寝返りを打つ藤馬。「ほんと、下らねえ」と繰り返して、寝る姿勢に入った。


「お前もそんな渉くんのために何かしてやればいいのに」


「ガキは甘やかすんじゃなくて使うに限るんだよ。全快になったら早速、ばんばん使ってやっか」


意地悪げなことを目論む藤馬だが、それはつまり、渉のそばにいるということだ。