中指斬残、捌断ち儀



「渉くん――」


「あ?」


「助かったとさっき言ったが、まだ少しな……」


目頭部分を揉みほぐすさざめきの顔は藤馬には向いていないが、口調からして穏やかな顔をしていないのは分かる。


「中指の脱臼はもう既に整復し、癖にならないよう今も固定はしているがすぐに取れる。後は首の痕がまだしばらく残るぐらいで、身体的苦痛はないんだが」


眼鏡をかけ直すために下げた頭はそのまま、深刻そうに肩を落としている。


「不眠に嘔吐が五日間続いている。前者は不安、後者は不調。五十鈴さんからの話だけだが、“引きずるのは無理ない話”だ」