中指斬残、捌断ち儀



「お前も、人を救える力があるじゃないか」


少しは見直した、と言うさざめきに藤馬は今にも噛みつきそうに鮫歯を立てたが、どこ吹く風らしく受け流す。


「五十鈴さん、そうして渉くんも助かった」


「助けたわけじゃねえよ。俺を敵に回した身の程知らずの自業自得だ」


思い出したら右目が痛んだか、タオル越しから右目を強く押す藤馬。


「お前の目については、注意ぐらいは貰ったからな。見てはいないが、右目はもう」


戻らないから、痛むとしたら幻視痛だと、藤馬の目に関してそれほどの情報がないさざめきは言うが。


「“抉られたぐれえで無くなるんなら、俺はもう左右節穴だってえの”」


否定された返しが、何か含みあるようで奥を覗いて見たい気にもなった。ただ、やぶ蛇かとさざめきは眼鏡を外す。