数秒間、目が合う。――いや、交わるのは視線だけで、片やタオル、片や眼鏡をしているので目と目で見つめ合うことはないのだが。
「にやにや100%」
「……」
今ここで、タオルを投げ捨てようかと思った。
スライド式の窓を開けるなりの、彼の人の心情なわけだが。
「内訳、まったくもぅ50%。このこのぉ40%。春だねぇ10%」
窓をどっこいしょと跨ぐさざめきを、殺す前に殴り飛ばそうと決断した藤馬だった。
「てめえ、いつから」
「お前が僕を呼んだはずだが?」
色つきビンゾコの鼻かけをくぃと持ち上げるさざめき。今日はいつものふざけた色した白衣ではなく、正真正銘の医者の正装であった。


