尻餅をついた患部も顧みず、僕は早速、木の箱を手にした。
僕の手のひら二つ分の小さな木箱。振れば音はしないものの、何か中に入っているという重みはあった。
やっぱりお宝だと、僕はお宝鑑定団のプライスオープンの音楽を思い出していたわけだが。
――ああ、本当に。
過去に戻れるならば、だなんてそんな無意味なことを言いたくはないけど、つくづく、僕は馬鹿だった。
常々、幼かったんだ。
「ふふん」
鼻歌うきうきでお札をひっぺがす。昔に貼られたものだったか、やけに乾いた紙だった。
爪先でカリカリしていき、剥がれるなり僕はその蓋を開けた。


