全力で笑顔をキープする。
あまりの腹立たしさに、一瞬でも気を抜くと崩れてしまう。
「ご自分でお確かめになったらどうです?」
言葉に棘が出るのを抑えることはできなかった。
私の怒りを感じ取った山村が、余計に焦った顔をする。
「すみません! 俺、あ、いや、僕、また失礼なことを……」
「そんな、失礼だなんて。私、あなたには半分くらい本性がバレてますから、それくらい思われて当然ですよ」
もうこの際、怒っていることがバレバレでも構わない。
「本当にすみません……」
しゅんとした表情が可愛く見える。
この顔で何人の女に失礼を許されてきたのだろう。
私は絶対に許さない。
このまま私を怒らせたことを申し訳なく思って、うちの会社に来るたびに気まずく思えばいい。
そして気まずさを理由に、私を避けてくれればベストだ。
「それじゃ、頑張ってくださいね」
私は嫌味っぽくそう告げ、山村を置いて自分の席へと戻った。



