「私、お手洗いに行ってきます」
山村の助けを求めるような視線を感じたが、気にすることなく立ち上がる。
小柳が私を賞賛する言葉を聞いて優越感に浸りたい気持ちはあるけれど、山村と一緒にいたくないという気持ちの方がダントツで優っている。
どうして一番に私のところへ来たのだろう。
新しく担当になったのだから、最初は所長のところへ行けばよかったのだ。
もしかして、先日の原口との一件について、私に何か言いたいことでもあったのだろうか。
個室を出る際、仕切りの扉を閉めながら山村の様子をうかがう。
整った顔立ちを、遠目に見る分にはいい。
これで私をブス扱いしたあの山村じゃなければ、キープしている男の中の一人にしようとしていたかもしれない。



