いつでも来るがいいわ、だなんて思った自分のバカ。
山村に避けていることを悟られてでも立ち上がればいいのだが、強い視線に囚われてそれができない。
「弦川さん」
名前を呼ばれてしまっては尚更だ。
山村はまっすぐ私のもとへとやって来て、堀口さんの横に跪いた。
ご丁寧に、瓶ビールを持って。
「お疲れ様です。どうぞ」
「……ありがとうございます」
素直にグラスを出し、注がれたビールに口をつける。
一体どういうつもりなのだろう。
「堀口さんも、ビールをどうぞ」
「まぁ、ありがとう」
山村にメロメロの堀口さんは、いっそう頬を緩めて上機嫌だ。
この様子なら得意のマシンガントークでこの場を繋いでくれるだろう。
おとなしくしておけば、私は余計に彼と絡まなくて済むはずだ。
そう思ったのだが。
「ねぇ、山村さん。うちの真咲ちゃんなんてどうかしら?」
よりにもよって私とくっつけようとし始めてしまった。



