楽しい食事を終え、私たちは午後10時前に解散した。
明日も仕事だ。
美女は明日の美貌のために、しっかり眠らねばならない。
電車で座ることができて、揺られているうちに眠気が襲ってきた。
朝から山村のせいで疲れてしまったけれど、こんなところで眠ってはいけない。
電車で疲れて眠ってしまう女性の寝顔は決して美しいとはいえないし、何より危険だ。
乗り換える駅までもう少し。
せっかく座れたけれど、私は立ち上がって扉の近くへと移動した。
その時、視界にあった何かが、不自然に素早く動いたような気がした。
辺りを見回してみる。
特に変わったものもないし、怪しい人物もいない。
きっと虫か何かが車両に紛れ込んでいたのだろう。
今日は朝から山村と出くわしたから、神経質になっているのかもしれない。
だけどやっぱり、何か変な感じがする。



