怒りに顔を歪める私に、あかりが面白半分で提案する。
「自分からバラしてみたら?」
いっそのことそうしてやろうか……って、危ない危ない。
うっかりその気になってしまうところだった。
「いやいや、絶対バラさないから!」
もうずっと美人で気立てのいい事務員さんとしてやってきているのに、会社の人にまで整形がバレたらどうするの。
「つまんないのー」
「つまんなくて結構!」
私は必死なのに、あかりは他人事だと思って楽しんでいる。
もっと同情してほしい気持ちもあるが、その辺のブリブリした女子のように白々しく「ええ〜。かわいそう」と言われたり、暑苦しい正義感を振りかざして「そいつ、許せない」と言われるよりずっと清々しい。
「でも、本当にすっかり忘れられていたら悔しくない?」
「……まあね」
彼は「ブス」と罵った「つる子」のことを、ほんの少しでも覚えているだろうか。
私だと気づいてほしくはないけれど、もし忘れているのだとしたら、今の3倍は恨もうと思った。



