「真咲って、ほんとガード固い」
「そうかな?」
別に、固いつもりはない。
自分がしたいと思ったら、するつもりではいるのだ。
というか、そもそも私は、あまりセックスが好きではない。
気持ちいいことではあるけれど、たくさんしたいとは思わない。
新田主任だけで十分だ。
「きっとその固さが、男にとってはたまらないのね」
私は意図してガードを固めている訳ではないのだけど、あかりはひとりでそう納得した。
正直なところ、男と一晩中一緒にいるなど、とてもじゃないけど堪えられない。
相手が起きている間、ずっと嘘の自分でいなければならないのだ。
さすがに息が詰まってしまう。
男と別れ、最寄り駅で電車を降りて、見慣れた風景にホッとして、肩の力が抜ける瞬間が好きだ。
ここでふと、あの男の顔が浮かんだ。
近所にあの男がいることがわかったせいで、私は自宅に着くまで緊張を解くことができなくなってしまったのだ。



