行儀が悪いとは思いつつ、メイクをしながら朝食を取る。
歯磨きをしてから髪を乾かし、もう一度鏡の前でニコリ。
時計を見ると、今日はいつもより早く支度が完了していた。
出発まで家でダラダラ過ごすのはもったいない。
得した気分で家を出て、駅前のカフェに入った。
カウンター席で読みかけの小説を片手に、温かいコーヒーを頂く。
優雅な朝のひとときに、美女力と気分が高まってゆく感じがする。
コーヒーを飲み終えたところで、ちょうど駅に向かう時間を迎えた。
今日はいろいろとタイミングがいい。
きっと今日はいい一日になる。
そう思っていたのだが。
「あ、弦川さん。おはようございます」
カフェを出たところで目の前に山村が現れ、上がっていた気分が一気に落ちた。
「……おはようございます、山村さん」
美女力だけは落とさないよう、笑顔は完璧に作る。



