ライアーライフスタイル


「主任との関係は否定しておきました。聞いた限り、決定的な証拠にはならないと思ったので」

「……そう」

山村は最初から彼をマークしていた。

何か理由があるはずだ。

「どうして彼にあんな取引を持ちかけたんですか?」

眉目秀麗で頭脳明晰、営業成績も常にトップの新田主任があんな取引を持ちかけたなんて、本当は今でも信じられない。

主任はしばらく答えずに、「うーん」とうなり頭を掻いて、まぶたの上から目を揉んだ。

私が別の質問を投げかけるのを待っているのだろうが、私が背筋を伸ばしたまま彼を見つめ続けると、しぶしぶ口を開いた。

「……真咲をあいつに取られたくなかった。真咲の好きな男って、あいつだろ?」

彼は関係を終わらせた時に私が「好きな人がいる」と言ったのを、山村のことだと思っていたようだ。

「違います。私が好きになったのは別の人。付き合っても上手くいかなくて、すぐに別れてしまいましたけど」

私がそう言うと、彼は表情を明るくした。

「それじゃあ、俺のところに戻っておいでよ」

このタイミングでよくそんなことが言えたものだと、逆に感心する。

私の居場所なんてラブホテルにしか用意できないくせに、戻ってこいだなんて無責任極まりない。