新田さん、どうか冷静になってください。
そんな条件、契約書に記載できますか?
これは僕とあなたの商談じゃない。
弊社と御社の商談です。
個人的な感情で契約書を作成できるわけがないでしょう。
……そうだね。
じゃあもっと冷静に話をしようか。
確かに契約書にこんな特記事項は認められないだろうね。
でも、僕個人の感情で御社との取引をゼロにすることはできるんだよ。
だけど彼女に近付かないだけで、御社は安定的に売り上げを確保できる。
悪い条件ではないと思うけどね。
……僕にとっては最悪の条件です。
やっぱり、その条件は飲めません。
そんなに彼女のことが好きなの?
はい。
是が非でも手に入れたいと思う程度には。
……ふーん、そう。
じゃあ、わかった。
条件が飲めないなら、彼女に君をセクハラで訴えさせるよ。
は? セクハラ?
とりあえず手始めに、君の会社宛に内容証明郵便を送らせようか。
弦川さんはそんなメチャクチャなことをする女性ではありませんよ。
それはどうかな。
彼女、僕の言うことなら大体聞いてくれるからね。



