一体こいつは何を言っているのだろう。
あの新田主任がクレイジー?
狂っているのは山村の方だ。
そう言ってやりたいのを堪え、気持ちだけこの一文字に込める。
「は?」
山村は眉間にしわを寄せ、深くため息をついた。
「何も知らないのか」
「新田主任についてなら、あんたよりは知ってるつもりよ」
だてに愛人をやっていたわけじゃない。
私が食って掛かると、山村は馬鹿にしたように鼻で笑った。
「あんた、人を見る目がないな」
「失礼ね。それなりに養ってきたつもりよ」
「全然養えてない。あんたの目は節穴だ」
何なの?
新田主任と私を侮辱するために、わざわざ私をここに呼び出したの?
「主任と何かあったの?」
山村が帰った後、新田主任の様子は明らかにおかしかった。
出かけたきり営業所に戻らなかったのも気になる。
ハンコ押しを約束していた所長も戻らなかったが、何か関係があるのだろうか。



