私は落胆してため息をついた。
だけどすぐに正気を取り戻した。
どうしてこんなことで落胆しなきゃいけないの。
山村の連絡を楽しみにしていたわけではない。
彼が主任と何があったのかを私に話すつもりなのだろうと期待していたから、それがないことへの落胆だ。
山村と再会して以来、私の生活は波だらけだ。
新田主任との関係を断ち切ろうと思ったのも、舟木と付き合ってみようと思ったのも、全部あいつのせい。
自分は人のことをブス呼ばわりした悪者のくせに、正義ぶって説教を垂れる大馬鹿野郎。
避けようとしたはずなのに、彼との距離は縮まるばかりだ。
私の8割は嘘でできている。
残りの2割も真実とは限らない。
山村には全然それが通用しない。
嘘で作ったバリアを簡単に打ち破り、弱い私に触れようとする。
彼から連絡がないだけで、こんなにモヤモヤするのが癪でならない。



