怪我のせいで作業効率を落としてしまった私が帰宅できたのは、夜の9時過ぎだった。
閉店ギリギリでドラッグストアへ駆け込み、傷を早く治してくれるという絆創膏を買った。
これからの生活が憂鬱だ。
手の切り傷ほど厄介な怪我はない。
何をしていても地味に痛むし、シャンプーをしている際に髪が傷に絡んだ時には最悪だ。
想像するだけで身の毛がよだつ。
いつ治るのだろう。
傷が残らないように治せるだろうか。
私は帰宅するなりベッドに体を沈め、まずはこれからどうやってメイクを落としたらいいか思案を巡らせる。
絆創膏を貼ったままクレンジングオイルを使うのは憚られる。
オイルの成分で剥がれたりしないだろうか。
剥がれるのはいいけれど、沁みたら嫌だなぁ。
傷が治るまでは、シートタイプのクレンジングを使うのがいいかもしれない。
右手を使ってバッグからスマートフォンを取り出した。
『後でLINEする』と言っていたが、山村からの連絡はまだない。



