ベッドの下に置いてあるバッグを漁り、スマートフォンを取り出した。

時刻は午後1時を回っている。

嘘、そんなに眠っていたの?

あかりから着信が来ているが、かけ直すのは後からにしてトークアプリを立ち上げる。

あかりからメッセージが1件。

【邪魔しちゃった?】

着信直後に受信している。

私が舟木と一緒にいると思っているのだろう。

舟木からの連絡は一切ないが、それはもうどうでもいい。

それより気になるのは、知らないアカウントが友達登録されていることだ。

そのアカウントからメッセージも届いているが、私は読むのを後回しにして、あかりに電話を折り返すことにした。

昨日の今日だけれど、舟木のことも話さなければならないし。

『はいはーい』

明るい声が頭にガンと響く。

「もしもし……私」

我ながら酷い声だ。

『え、何その声』

「二日酔い」

『珍しいじゃん』

「いろいろあって、やけ酒した」

『いろいろ?』

「簡単に言うと、別れた」

「はあっ?」

あかりの驚きの声が、頭にガツンと衝撃を与える。

お願いだから今は静かに聞いてほしい。

久しぶりに二日酔いしたけれど、こんなに苦しいものだったっけ。