本当のことを吐き出してスッキリしたはずなのに、腹の底に湧いているこの気持ち悪さは何だろう。
というか、そもそもどうして嘘をついていることを口に出しちゃったんだろう。
絶対にダメだって頭ではわかっていたのに、自制できなかった。
あれが私の限界ということか。
大学時代に美女へと生まれ変わって以来、理性的に行動できていたと思う。
なのに、さっきの私は何だったの?
私は地下鉄の窓に映る自分に無言で問いかける。
窓の向こうの私は神妙な顔をするばかりで、何も答えてはくれない。
舟木には笑って「そんな風に見えたかもしれないけど、あかりは本当はすごく努力家で、彼の前では照れ屋なだけなんだよ」とでも言うのが正解だった。
舟木好みの雰囲気を作って「私の友達なんだから、嫌いだなんて言わないで」と可愛く言えば、重い空気は簡単に払拭できた。
「短い初恋愛だったなぁ」
でも、勉強にはなった。
自分の未熟さを痛感したし、体が理性を無視して暴走することもあるとわかった。
いつかまたその気になるまで、しばらく恋愛はいいや。



