早く山村から解放されたいので、私は適当なサンドイッチを手に取りレジに向かう。
山村はスポーツドリンクと缶ビールを手に持っており、もう一台のレジで会計を済ませた。
「それでは、失礼します」
私は店を出るなり、すぐにそう告げた。
もう笑顔をキープするのがつらい。
早く彼の前から逃げ出したい。
そんな私の気を知らない山村は、まったく悪気なく私を引き止める。
「あの、弦川さん」
危うく舌打ちをしてしまうところだった。
「何でしょうか」
頬の筋肉がプルプルと痙攣してきた。
口角を上げ続けるのも限界だ。
「こんなことを言って、誤解されたくはないんですけど」
「はあ」
「僕たち、以前どこかでお会いしませんでした?」
……嘘でしょ?
まさか、バレた?
いや、違う。
具体的に誰とはわかっていないようだから、きっとまだ気づいていない。



