一次会が終わり店の外に出ると、男たちは二次会の相談を始めた。

堀口さんは「明日も息子の弁当の準備をしなきゃいけないから」と言ってそそくさと帰っていった。

潰れかけていた小柳はいつの間にか復活しており、元気に「俺カラオケがいいっす」と連呼している。

取引先の人たちも半数程度はここで離脱するようだが、山村は新田主任や古田所長に気に入られているため、ほぼ強制的に付き合わされるようだ。

山村が来るし、やはり私は帰ろう。

「お疲れさまでしたー」と小さく告げ、誰かに引き止められる隙を与えることなくこの場を後にする。

脱出は無事に成功した。

明日は楽しみな予定がある。

久しぶりにあかりに会えるのだ。

彼女の年下の婚約者や舟木とも会うのに、二日酔いの浮腫んだ顔を晒すなんてごめんだ。

今日は念入りにマッサージをして、ゆっくり眠ろう。