「別に関係ないでしょう? どうして私が怒られなきゃいけないの」
「危ないからだよ」
「危ない?」
「ここ、夜は変質者やら不良やらが出るんだぞ」
それは知らなかった。
つまり山村が腹を立てているのは、私を心配してくれているからということ?
なんだか本当に彼に好かれているような気がしてしまう。
つる子であると認めさせたいがために、からかっているだけに決まっているのに。
「あんたこそ、こんな時間にこんなところで何やってんの。まさか、変質者ってあんたのことじゃないでしょうね」
売り言葉に買い言葉。
私の反発心はまだ治らない。
「この格好見りゃわかるっしょ。走ってたんだよ」
「歩いてたじゃない」
「走ってたけど、筋を痛めたから歩いてた。だから変質者に成り下がれる元気はないぞ」
ああ、まただ。
こんなの、仲良しの同級生みたい。
今はこんな関係、望んでなんかいないのに。
「ていうか、あんたこそ昼間に走ればよかったでしょう?」
「昼間は用事があったの」
用事? なにそれ。
もしかして他の女とデート?
「……あっそ」
別に私には関係ないし、嫉妬したわけじゃないから。



