「長話しちゃったな」
私の声が周辺の木々のざわめきにかき消える。
いつの間にかすっかり暗くなっていて、人もいない。
暗い時間までこの公園にいたことはなかったけれど、点在する街灯ではさほど明るくなく、ちょっと不気味だ。
せっかく嬉しい気持ちで電話を切ったのに、その気持ちが不安と混ざって中和されていく。
私は立ち上がり、自宅へ向けて歩き出す。
頼りない街灯と向こう側に見える自動販売機の明かりしかないけれど、広い通りまではあと少し。
人気のない公園の道に、コツコツと私の靴音が響く。
風になびく木々の音。
そして公園の外から聞こえる自動車の音。
そこにかすかに私とは別の足音が聞こえてきた。
誰かが早足でこちらへ近づいてきている。
この公園のコースを利用しているウォーカーだとわかっていても、ちょっと怖い。



