舟木とのことを一通り話し終えた頃、私は公園の広場に到着した。
あかりとランチを食べたベンチがちょうど空いていたので、私はそこに腰掛け夕日を眺めながら会話を続けることにする。
夕焼けが闇と混じるこの時間になると、人気が引いて静かだ。
ウォーキングやジョギングをしている人がまばらにいる程度で、広場で遊んでいる子供はもういない。
だけどそのおかげで電話越しのあかりの声はよく聞こえる。
『とにもかくにも初彼じゃん! おめでとう』
「ありがとう。でもずっと一緒にいると、ちょっと窮屈かも」
『普通付き合いたてって“帰りたくない、もっと一緒にいたい”ってなるもんなんだけど、真咲だとそうなるんだ。いつまで持つか見ものだわ』
「しばらくは頑張ってみるつもり」
『しばらくって、1ヶ月くらい?』
「そんなに根性なしじゃないから!」
いつもの毒舌に安心する。
下手に『頑張ってね』などと励まされたりしたら、逆に距離を感じてしまう。
「それより、あかりの方はどうなの?」
私が尋ねると、あかりはうんざりしたように『ああ』と漏らした。
どうやらあまり上手くは行っていないようだ。
『結婚やめるって言ったら、相手に超泣き付かれてね。あたしも彼と結婚したくないわけじゃないから、婚約破棄するのはやめたの。でも、式の件については、まだ折り合いがついてない』



