一言打っては消し、打っては消し……と繰り返しているうちに、自宅の最寄り駅に到着してしまった。
これ以上悩んでも仕方がない。
私は改札階へのエスカレーターに乗っている間に、【元気?】と一言だけ送信した。
改札を出て数秒後、スマートフォンが震える。
ディスプレイには【着信 樋川あかり】と表示されている。
私の胸は、舟木とキスをした時と同じくらい高鳴った。
「もしもし」
『真咲、久しぶり』
あかりの穏やかな声を聞いた瞬間、嬉しくて泣きそうになった。
自分が選んでそうしたのに、あかりと連絡を絶っていた約1ヶ月は本当に苦しかった。
「ほんと、久しぶりだね」
私は話しながらある行きたい気分になって、あかりとケンカ別れしたあの公園へと向かうことにした。
『あたしは元気だけど、真咲はなんだか元気ないね。何かあった?』
電話でたった一言交わしただけなのに、それに気づくあかりはすごい。
「この1ヶ月でいろいろありまくりだよ」
『聞かせてよ』
「あのね−−」
私ははち切れんばかりに膨らんでいたものをぶつけるように喋り倒した。
言葉が止まらなかった。
あかりが今まで通り、いいところで相槌を打ちながら上手に聞いてくれるから、話が止まらなかった。



