ああ、話したい。
誰かにこの気持ちを聞いてもらいたい。
誰か?
いや、誰でもいいわけじゃない。
ただ一人、あかりに話したい。
私が男の誘いを断ると、あかりはいつも言っていた。
「もったいない。イイ男としたって失うものなんてないのに」
してみてわかったけれど、あかりの言った通りだった。
私は主任との行為で神経をすり減らしていたから、他の男とする時も同じくらい消耗するものがあると思い込んでいた。
不倫なんて馬鹿なことをして、せっかくの若い時期を無駄にしてしまったと、今ならわかる。
もしかしたら私にもまともな恋愛をする才能があったかもしれないのに。
今の私は、嘘なしに舟木とは付き合えない。
この顔が整形で、性格もあなた好みの女を演じているだけで、他にもたくさん嘘をついている……なんて今さら言えるわけがない。
シャワーを浴びて、汗を流した。
脱衣所にある洗面台には、本当にドライヤーがない。
今日のところは仕方がないから、丁寧にタオルドライをして、乾くまで起きていよう。
時刻は午前2時半を回り、もうすぐ3時になろうとしていた。



