舟木との触れ合いは長く長く続いた。
タイムリミットのない中でのセックスは初めてだったけれど、まさかこんなにクタクタにさせられるとは思わなかった。
シャワーを浴び直さなければなければならないほど汗だくだ。
けれど舟木にはその体力が残っていないのか、「張り切りすぎた」と笑って言った直後、あっという間に眠りに落ちた。
私は彼が起きないよう、静かにベッドを出て風呂場へと向かう。
「疲れた……」
だけど決して悪くはなかった。
いい汗をかいた。
これはもはや、スポーツと表現すべきなのでは。
今日のことを色々想定して準備を重ねた甲斐はあったと思う。
永久脱毛を施していない部分の体毛処理はもちろんのこと、電子書籍でHow To本を読み漁ったり、下着を新調したりした。
デートの間だって、食べる量を調節して胃が張らないように気を使った。
それくらいの気合を入れていないと、裸なんて晒せない。
主任との時は、バレないようにするために終わってからも気を使わなければならなかった。
秘密にする必要のない恋人とのまぐわいは、終わってみると案外あっけない。
つまらなかったということではない。
むしろとてもよかった。
ひたすら甘くて、制限もなくて、罪悪感もない。
相手と自分のことに集中できて気が楽で、没頭できた。
不倫しかしたことがなかったせいで、誰かと体を交えるには入念な準備と後片付けが必要だと思い込んでいたようだ。
セックスがこんなに簡単なことなら、既婚者でない男ともっと楽しんでおけばよかったとさえ思う。



