「お待たせ」
白地にシルバーの装飾がされたカップがテーブルに置かれた。
香り高いコーヒーは、茶色と黒の二種類。
私が砂糖とミルク入りを好むことを覚えてくれていたようだ。
さすが、モテる男は違う。
「ありがとう。美味しい」
「そりゃどうも」
3人掛けのソファーで、私たちは間を空けずにぴったりくっついて座る。
舟木の肩に頭を預けると、彼が私の頭にキスをする。
恋人同士の甘ったるい時間に慣れていない私は、恥ずかしくて笑ってしまいそうだ。
「このカップ可愛いね」
「先輩の結婚式でもらった引き出物だけどな」
「そうなんだ。いいものもらったね」
どうしよう。
こういう雰囲気の時、何を話していいかわからない。
「真咲」
彼に呼ばれ、見つめ合う。
整った顔に熱が宿っているのがわかって鼓動が強くなる。
舟木が私の手からカップを奪ってテーブルに置き、私を正面から腕で包んだ。
私も軽く背中に手を添えて応える。
彼の胸に頭を預けると、彼の心音が聞こえた。
私よりずっと落ち着いている。
舟木はきっとこういうシチュエーションに慣れているし、どうしていいかわかっているし、スマートに私をリードするだろう。
私の緊張がバレませんように。
舟木はイイ女の私に惚れているのだ。
初心者であることを知られてガッカリされたくない。



