すると山村は、次の行動に出る。
手を繋いだまま指の腹を使って、絶妙なタッチで手の甲を撫で始めたのだ。
それはもう、卑猥な感じに。
電車の中なのに、いけないことをしている気分だ。
キッと睨みつけるが、山村は悪びれもせず続ける。
というより、涼しい顔で私の反応を楽しんでいる。
「どうしたの? 顔、赤いけど」
「別に。暑いだけ」
「そう」
それなら遠慮なく、といった風に、彼の指が私の手のいたる部位をゆるゆると愛撫する。
彼が撫でた部分から全身に痺れが広がる。
手に触られるだけで体中の血が巡るなんて、新田主任は教えてくれなかった。
こんな気持ちになっていることを悟られてはいけない。
バレてしまえば「朝っぱらから何考えてるの?」とからかわれるに違いない。
だから私は、彼の指の動きを止めるためにギュッと彼の手を握り返した。



